22日は実はとっくに過ぎてるが…

3連休があけて久しぶりに仕事に行ったさくら、一番ナースステーションに近い大部屋(つまり、重症の人はその部屋に入れる)がわさわさしてる気配を感じ取る。
のぞいてみると、あきらかに気管内挿管(人工呼吸気をつけようとしてる)してるじゃないか。
誰?誰?3日の間に、私の知らない人が入ったの?と、ベッドネームを確認してみると…Tくんじゃないか!!

Tくんはうまれつき奇形をたくさんもって生まれてきて、もうすぐ2歳になるのに身長は約50センチ。もちろん首もすわらない。肺も心臓も小さくて、心不全がどんどん進み、治療法もなく、いつ限界が来てもおかしくない状態だと言われてた。
でもあやすとにこにこ笑ってくれて、さくらなんかよりずっと天使に似てました。

生まれてからほとんどミルクだけで栄養をとってたTくんには基礎体力があまりなく、結局その日の昼には心臓も呼吸も止まりました。
お母さんは泣き崩れたけど、「ありがとうございました」と言って、しっかりした足取りで帰っていった。

よく「小児科で働いてるの?いいなー、子供ってかわいいよね」って言われることがある。
確かにそう思う。さくらも子供は好きだし、かわいいと思う。
でも、ここは幼稚園でも保育園でもなくて病院で、子供ばかりでかわいいけど、そのかわり死んでいくのも子供なんだよね。
もちろん子供の病棟だから、高齢の病棟に比べればステルベン(急変して亡くなること)は少ないと思われるけど、少ないからこそたまにあるとものすごくショックを受けてしまう。

そしてそのあといつも、「私のやってることってなんだろう?」って考える。
考えても答えは出てこないし、次の瞬間には他の子供達の世話に追われているさくらがいるだけなんだけどね。

そんなさくら、実は病棟では「あたりや」と呼ばれてる。同期の子は今回のTくんで初めてお見送りをしたらしい(つまり、自分が勤務の時に亡くなったってこと)けど、私は通算4回目。(私が就職してからは10回もなかったはずなんだけど)1年目の時には真夜中に隣の病棟までカウンターショック借りに猛ダッシュしたこともある。
…決して、今ニュースに出まくってる准看護士みたいにマスキュラックス打ったりしてるわけじゃないぞ!!!!

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