金曜日のお昼ごろ、さくらは利用者さんたちにまざってお昼ごはんを食べていました。

横に座っていたSさん(71歳、男性)が、その隣にいたOさん(65歳、男性)に一生懸命話しかけています。

2人とも脳卒中の後遺症の右麻痺です。
Sさんは普通にお話できますが、Oさんは重度の失語症です。
言葉はなかなかでてこないし、言葉の理解力も健常者に比べて今ひとつです。

Sさん「どっちの脳をやっちゃったの?」
Oさん「あー…&%*’&%=#"…(何やら話そうと努力中)」
「左の脳?僕はそうなんだけどね。脳梗塞?」
「いやいやいや…(首を横に振る)…&D+*?}|=)&$"…」
「あ、違うの?じゃ脳出血?くも膜下かな?」
「ううん…(首を横に振って)…あのー、あのー…%’J_?*!=)?}|"$#%…」
「それも違う?なんだろう、糖尿?」
「うん!」


「ああー、糖尿ね。」
さくら「…Oさん、いつ糖尿になったの?」
Oさん「…あっはっはっは(笑ってごまかしてる)」

この仕事してる人だったら
Oさんのかわいさをわかってもらえるかしら。

さくらのあてにならないワンポイント講義
<失語症>
脳梗塞、脳出血などの脳血管疾患の後遺症として残ることがあります。
言語の中枢はたいていの人の場合左脳にあるため、右麻痺の人に多い障害です。
上記のOさんのように、声は出るのに言葉がまったく出てこない人、難しい言葉だけ出てこない人、言葉を発するだけではなく、言葉を理解する能力も失われる人など症状はさまざまですが、痴呆とは違い、進行することはありません。
さくらの働いているデイケアにはこんな人がたくさんきています。

227.貧乏?

2004年6月12日 お仕事
金曜日、さくらは久々にフリー当番でした。
要するに外回り、雑用係です。

お茶碗を洗ってるさくらに、ハタチさんが話しかけてきました。
 

ハタチさん「あの、さくらさん、聞いてもいいですか?」
さくら「(お茶碗を洗いつつ)いいけど…何?」
「あの、破れて穴の開いた下着とか靴下とかってどうしてますか?」
「…捨てるけど?」
「旦那様(彼女はご主人のことをこう呼びます)のなんですけど…買わなくていいって言うんですよ。さくらさんは捨てて、新しいの買うんですか?」
「…あなただったら自分の靴下が穴が開いたらどうする?」
「捨てます(きっぱり)」
「自分にされたら嫌なことを相手にしちゃいけないってお母さんに習ったじゃん」
「え〜…でも、買わなくていいって言われて…」
「破れたら捨てて、いっぱいあったら買わないけど、足りなかったら買うよ。他のがいっぱいあるの?」
「ないんですよぉ〜」

「買えよ」

 
そんなハタチさん、ご主人の仕事の都合でアメリカに行くことになりました。
そんなこんなで7月中に退職です。

ちょっとほっとしてしまった…

 
そんなハタチさん、主任と話をしてました。
英会話についてたずねられたハタチさんはこう答えました。

「英会話学校に2ヶ月行ったんですけどぉ〜…それがいやでお仕事はじめたんですよぉ〜」

 
この子、生きていけるんでしょうか?
ご主人はこんな世間知らずの子がきっとかわいくてしょうがないんでしょうが、
迷惑なので外に出さないでほしいです。
ハタチさんにお疲れのさくらです。

うちのデイケアはスタッフも私服なんですが
今日のハタチさんは七分袖の服を着てました。

彼女は朝来てまずさくらに言いました。
「さくらさん、ここ、何か上に着るものないですか?」
「ないこともないけど…どうしたの?寒いの?」
「いえ、そういうわけじゃないんですけど…」

妙に言い渋ってましたが、そのうち

「露出が多いから」

と言い出しました。

…手首を出すのは「露出が多い」でしょうか?
この子、夏は何を着て生活してるんでしょう?

あまりにぐずぐずうるさいので、スタッフそろって

「いつもと全っ然変わらない」と言ってあげました。

そしてお昼前。
利用者さんは運動するための機械を触ったりしているため、食事の前に手洗いの誘導をしてます。
車椅子に乗ったKさんと何やら話をしていたハタチさんは、さくらの方をじーっと見て、近寄ってきてこう言いました。

「あの、さくらさん、Kさんが、『手洗いたくない』って言ってるんですけど、どうしましょう…」

いくら今日さくらがリーダーだからってそんなことまで指示しなきゃいけないのかいっ!!!!

この子、「自分で考える」ってことできるんでしょうか?
社会人意識がないと思っていろいろ話をしても
「それはわかってるんですよ」とか言うし。

わかってたらこんな話するかっっ!!!

ほんとに手のつけられないバカです。
疲れるわぁ…
新人さんたちもひとり立ちし、少し現場に余裕がでてきました。

が…

前回書いた新人さん。
そう、花のハタチ。
肌の輝きが違いますが、頭の働きも私たちオバサンとは少々違うようです。

ドンくさいのは許そう。個性のひとつ。
のーんびりした話し方も許そう。利用者さんにはウケがいい。
質問すると首をかしげて「うーん…」と考えてるだけなのも許そう。わかんないときはこっちが何にも言わなくても次の日までに必ず自分で調べてくる。えらいね。

しかし。

ある利用者さん。(男性、61歳)
彼は円とドルの両替をしてはお金を増やすということをやってるようです。
その日の彼の送迎には花のハタチさんが行きました。車の中ではその話題で盛り上がってたようです。

そして、その日の彼女の記録。
記録用紙は複写になってて、1枚は本人のファイルにはさみ、デイケアから本人、家族宛の文章もついてます。
もう1枚はデイケアのカルテにはさみます。複写にならない部分が1箇所だけあり、本人のファイルの分では家族からの連絡を書く欄になり、デイケア用のではスタッフ記録の欄になります。

ハタチさんは、その61歳の方への記録(本人も家族も見るところ)にこう書きました。

「株とか、危ない仕事はやめてくださいねぇ(笑)」

ファイリングしていた相談員が発見し、さくらに見せてくれました。
「書き直ししてもらって」と相談員から言われ、さくらは記録をひっつかんでハタチさんを呼びました。

「ねえ、これ(笑いのところとちっちゃい「え」にぐるぐるっと丸をしながら)まずいよねえ?」
ハタチ「…えー、なんでですかぁ〜?」
さくら「……」

とりあえず書き直させ、利用者さんが帰ったあとさくらと相談員でなぜいけないかを説明しましたが、あんまりよくわかっていない様子。

さくら「Kさん(利用者さん)はあなたのお友達じゃないんだよ?これは正式な記録なの。お友達へのお手紙とは違うの。」
ハタチ「あ、それは、わかってます」
さくら「Kさん、馬鹿にされてるって思うよね?」
ハタチ「え、ばかになんてしてないですよぉ〜」
さくら「……」

やっとさくらにもわかりました。

この子

 
バカ
 

なんですね。

とりあえず、本人だけが見るものではないことを相談員とさくらからこんこんと説明し、なんとなくわかった様子です。

あぁ、イライラの種ができてしまった……

221.新人さん

2004年4月11日 お仕事
本日お休みでした。さくらです。

明日からまた仕事です。
さくらのデイケアに、また新人さんが2人参りました。

そのうち一人は、やたらと若い女の子でした。
花のハタチ。肌の輝きがさくらとは違います。

 
…ふぅ…

高校を中退後、バイトしながら生活して、19歳で結婚したそうです。

さくらは、彼女が面接してるときにみかけたことがあります。
次の日の準備のために書類を相談室に取りに行くと、事務長と事務次長が面接をしておりました。

事務長「結婚していらっしゃるんですか?」
女性「はい。」
事務次長「失礼ですが、ご主人はおいくつですか?」
女性「あ、もうおじさんですぅ〜」
事務次長「あ、そうですか。えーと、おいくつですか?」
女性「えーと、36歳ですぅ〜」
事務長(41歳)事務次長(39歳)「………」

明らかに2人はブルーでした。
さくらは笑いをこらえながら部屋を後にしました。

でも、彼女からしたらさくらもオバサンでしょうね。
だんだん年をとっていく…
再び生きてました。さくらです。

いまだに新しい看護師の応募はきません。ぐれるまでカウントダウン状態のさくらです。

このところ、忙しい日々を送ってました。
お花見です。
デイケアでお花見を企画するのです。

行き先が決定し、日取りも決定したところで
主任のUさんが、お花見をさくらに丸投げしました。

連日退社するのが10時とか11時とか。
旦那がついにキレました。
「こんなに毎日毎日遅くて、さくらがかわいそうだ。俺が会社に電話してやる!!」とわめいておりました。

これ幸いと、次の日主任と事務次長に言いつけてみました。
2人には旦那が

「8時までに退社するか、退職するか、どっちかにしろ」

と言ったことにしときました。
おかげで次の日から7時半に退社しております。
 

本題のお花見のほう。
無事すみました。
さくらの目標は無事達成されておわりました。
さくらのお花見の目標はただ一つ。

「全員、生きてデイケアへ帰る」

無事達成されました。

最近利用を始めたNさん(90歳)は、痴呆のためか、すぐに怒ります。
お花見には車椅子で参加しました。

「おしっこ!!!」とわめき始めたので、さくらが車椅子用トイレへ連れて行きました。

無事排尿が終わり、さくらは便器に座っているNさんの前に車椅子をセットしました。

さくら「じゃ、Nさん、こっち(車椅子)座りましょうか」
Nさん「…」(ひざから車椅子によじ登ろうとしている)
さくら「…!!!Nさん!!違うって」
Nさん「何が違うんだっっ!!!」(絶叫)
さくら「Nさん、ここ座るんだよ」(車椅子の座面をたたきながら)
Nさん「…」(再びひざから車椅子によじのぼろうとする)
さくら「Nさぁーん、違うってばぁ」
Nさん「何が違うんだっっ!!!」(再び絶叫)
さくら「Nさん、ここお尻乗せるところだって」
Nさん「…」(向きをかえ、きちんと車椅子に座った)

無事座ったNさんを洗面台の前へ。

さくら「Nさん、じゃ、手洗いましょうか」
Nさん「…うるさぁーい!!手なんかあらうもんかぁっっ!!」(手は蛇口の下に伸びている)
さくら「…Nさん、水出しますよ」
Nさん「…」(手を洗っている)
さくら「はい、Nさん。タオル」
Nさん「…」(素直にタオルを受け取り、手を拭いた)

何がしたかったんだ?

とりあえず、無事に終わりました。
けが人ゼロ。脱走者ゼロ。(未遂1)

上出来です。

219.

2004年3月21日 お仕事
生きてました。さくらです。

今週は、ほんとにほんとに久しぶりな2連休でした。

土曜日は隔週で午前中のみの出勤だったはずなんですが、
看護師だった主任が7月で異動になり
新しくきた主任は介護職だったため外来の看護業務はできず
なし崩し的にさくらばっかしでてました。

今回、外来の看護師が一人退職することになり、あたらしく看護師の募集をかけたらしいです。

しかし、未だに応募ゼロ。

 
さくらはここ1年ぐらい、髪の毛を茶髪にしてました。
もうちょっと明るく、もうちょっと…とやってるうちに
いつの間にかかなり明るい色になってました。
旦那には「金髪」と言われております。

最近脳外科の病院から引き抜かれてきた事務次長は
実はさくらの髪を快く思っていないようです。

この間みんなで飲みに行ったとき
「何も言わないよ。言わないけど、利用者さん相手の仕事として、ふさわしい髪ではない」みたいなことを言われました。
そろそろ黒髪にもどそうかなーと思いましたが。
 
 
新しい看護師さんが来てくれないと、さくらがずーっとずーっと土曜日出勤を続けなければならないのです。

土曜日が仕事だと(午前中だけですが)
土曜日は午後はぐうたらして終わり、
日曜日はくたびれ果てて朝起きられないので結局何もできず
寝るだけの週末を何度も過ごしているのです。

隔週でいいから、早く2連休がほしい…

なので、さくらは心に決めました。
あと1ヶ月して、外来の新しい看護師さんが決まらなかったら
さくらは再び金髪にします。

それでクビになることはまずないでしょう。
今さくらがやめたら絶対困るはずだし。(看護師はいまのところデイケアにさくらしかいない)

事務次長に注意されたら
「次の看護師が見つかったら黒くします!!!」
と言い返してやる。

さくらのささやかな反抗です。

 
…ガキくさい?
忙しい1週間でした。
月曜日から午前様。もちろん仕事。
一番早く帰った日が11時。
やってられない…

またまたさくらだけ土曜日仕事でした。
しかし…

土曜日の朝、電話で目が覚めました。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
……………9時半?!(始業は9時)
 
 
 
 
 
 
いまさら行っても間に合うわけもなく、外来はひまだったためさくらはお休みになりました。
事務のTさんが気を使ってか「体調不良」と言ってくれた様で、主任(さくらとタメのUさん)から「大丈夫ですか?」メールが届いてました。
 
またUさんの白髪を増やしてしまったぁぁぁ…

212.10分

2003年11月18日 お仕事
さくらの働いてるデイケアの、同じ経営グループのデイサービスに新しい運転手さんが入りました。

名前は黄さん。中国の方です。

大柄で、いつもにこにこと愛想がよく、運搬の仕事でよくさくらの仕事場にも来ていますが、日本語がまだいまいち怪しいらしく、なかなか自分からはお話してくれません。
「お疲れ様ですー」と声をかけると
「あ、おつかれです…」とにこにこと返事をして帰っていきます。

そんな黄さん。
面接を受けに来た時に

面接したOさん「黄さん、日本語は大丈夫ですか?」
黄さん「だいじょうぶ、だいじょうぶ」(超笑顔)
Oさん「あ、そうですか。黄さんは日本に来てどのぐらいなんですか?」
黄さん「10分です」(堂々)
Oさん「あ…いや、あの、そうじゃなくてね、えーっとえーっと、黄さんのお宅は近くなんですか?」
黄さん「近いよ、○○(住所。ほんとにすぐ近く)ね。すぐ近く」
Oさん「あ、そうなんですか。それで、黄さんはぁー、に・っ・ぽ・ん・に・き・てー、どのぐらいですかぁー?」
黄さん「10分です」(自信満々)
Oさん「……」

結局何年前に日本にきたのか分からずじまいですが、
彼はめでたく採用されました。

うまくやっているようです。
2日連続更新してみてちょっと調子に乗ってしまいそうなさくらです。

そういえば、近況報告をひとつ。
4月16日(No.204)の日記で書いたMさんですが、
彼は先月お亡くなりになりました。

その日は朝から何だか眠そうでした。
いつもパーキンソンの薬のせいでちょっと眠そうなんですが、
その日は嚥下(ものを飲み込む能力)もとても悪かった。

利用者さんたちのお昼ご飯の間、さくらも休憩時間になったので、お弁当を食べて休憩室でお茶を飲んでました。
休憩が終わって出て行くと、主任(さくらとタメ)がMさんの食事介助をしてました。
(Mさんは普段、ちょっとこぼすけど自分でご飯をきちんと食べます。)

主任「あ、さくらさーん、Mさん今日あんまり食べられないみたいなんですよー」

…最初に口に入れた豆腐がまだ口に入ってるよ?
…ほとんどこぼしてるよ?
…スプーン、口にちゃんと運べてないよ?
…もう薬も切れる時間なのに、全然目があかないよ?
…呼んでも反応がすごくにぶいよ?

……ご飯食べるとかいう以前の問題じゃないの?
やばいよ。意識レベル落ちてるよ。

あわてて血圧を測ってみたものの、いつもと変わらず。
併設のクリニック(同じところにある)を呼んでみたところ、意識がしっかりしてきたので、とりあえず様子をみることになりました。

その日の帰り。
再びMさんに異変。
絶対怒ったりしないおだやかなMさんが、スタッフの手をはらいのけました。
びっくりしたスタッフとよーく見てみると。

…また意識落ちてるよ…
…不随意運動(※)してる?

あわてて再び医者を呼び、奥様も呼び、脳外科の病院を受診してもらうことになりました。
しかし受診が決まったところあたりからMさんは再び元気になりはじめ、お茶を1杯飲みました。
タクシーにもしっかりと乗り込み、奥様と病院へ向かっていきました。

しかし。
次の日、スタッフのOさん(昨日さくらとおでんを食べた)がさくらを呼び止めて言いました。

「さくらさん!!Mさん、昨日亡くなったんだって!!!」

…え?

医者も「なんで?!」とびっくり。
紹介先の脳外にも報告したところ、そこの医者もびっくり。

「呼吸不全」ということだったらしいのですが、さくらはいまだに実感が湧きません。
どっかに入院してて、長期でお休みしてるような気がする。

Mさんはよく目をつぶってましたが
「Mさぁ〜ん!!!私のかわいい顔は見えますかぁ〜?」と叫ぶと、いつも一生懸命目をあけて
「はいみえます…」とつぶやくという、とても素敵な人でした。
すっころぶところはあんまり好きじゃなかったけど、Mさんのことは好きだったので、いまだに何だかさみしいです。

病院をやめて、ステルベンの現場に立ち会うことはなくなったけど、身近な人が亡くなるのってやっぱり悲しいです。

※不随意運動
意識してする運動(随意運動)の逆で、無意識に動くこと。脳神経系に異常をきたした時などに、自分の意思と無関係に手や体などが動いてしまうことです。

208.生きてた

2003年10月5日 お仕事
だいぶ前にこのページ開いたらうまく開けず、それいらいほったらかしてたんですが、またうまくひらけるようになりました。
てなわけで、久しぶりの更新です。

この2ヶ月間いろんなことがありました。

9月に入り、私のいるデイケアがリニューアルして新しくなりました。
準備のために何度か午前様をやりました。
さくらとタメの主任は、正直いつ倒れるかとさくらは心配しておりました。
(何とか倒れる前に終わりました)

その後、なにやらイベントをやりました。
さくらもなぜか参加しており、午前様をなんとか切り抜けるぐらいの遅い帰りの毎日でした。

やっとイベントも一段落し、普通の日々が戻ったと思いきや、デイケアはいまだうまく波に乗れず、毎日残業が続いています。

そんな中、9月分の給料が渡されました。
夜勤をやっていた2年前と同じぐらいの額をもらいました。

…仕事しかしてないー!!!
つまんない!!!

こんな感じで、なんとか死なずに生きていました。
こんな更新してない日記、読んでくれていた人がいたとしたらありがとうございます。

明日からまたお仕事…
…連日更新したのなんて何ヶ月ぶりだろう?
書くネタも特にないんだけど、パソコン開いたついでに。

No.200の日記で書いた、娘さんと仲の悪い利用者さんの話の続き。

彼女は結局虐待を目撃されてしまいました。
うちのスタッフがお迎えに行ったある朝、娘さんは
「もう私、気が狂いそうよ!!!」
と絶叫し、往復びんたを何発か食らわせたらしいです。

その後ケアマネ(ケアマネージャー。介護保険被保険者の人には必ず1人ついていて、被保険者の介護ケアプランを作る人です)とも相談し、緊急一時入所になるだろうと言っていた矢先、病気になって入院しました。
結局その後はどこかの施設に入り、うちのデイケアにやってくることはもうありません。

今頃は、毎日体をきれいにしてもらって(いつもくさかった)、毎日3回ご飯をもらっているかなあ、なんて思ってます。
そうなっていたら、彼女も少しは幸せなのかなあ。

さくらは今週の日曜日、研修が入ってしまいました。
土曜日も午前中外来の予定だったんですが、2週間連続で働く上に引越しの準備もできなくなることを心配した心優しい主任が、さくらに土曜日のお休みをくれました。

明日はさくらのアイドルTさんが利用になる日です。

がんばるぞう!!

>どがじいさま
昨日はお礼を書いただけで満足してしまい、そのまま寝てしまいました。
相互リンクにさせていただいたので、どうぞよろしくです。
ずいぶん更新が滞ってますが
その間に大変頭に来る出来事がたくさんありました。

今日はMさんが利用になる日です。
Mさんはパーキンソン病。
すぐに一人で立ち上がり、歩こうとするんですが、病気が進み、一人ではほとんど歩くことができずにすぐに転倒(要するに転ぶ)してしまいます。
最近では見当識障害(要するに、自分がどこにいるのかいまいちわかってないってこと)も出始めました。

さくらはいつも記録するものがたくさんあるのですが、Mさんが来た日は必ずMさんの近くで記録物を広げます。
誰かが必ず目を離さないでいなくてはいけないので、隣で書きものしてれば嫌でも目に入るし、その間他のスタッフは別の仕事できるし。

午後1時半。
Mさんの「ストリップタイム」スタート。
(別の通所系サービスも利用してるのですが、どうやらそこでは1時半ごろお風呂に入ってるらしく、ちょっと勘違いをしてるのです)

最近よくあることなんですが、こんなときは
「Mさん、女性の方もいらっしゃいますし、ストリップはやめませんか?」と言えばやめてくれることが多いです。(強引に否定してはいけないらしい)

そうしてストリップタイムを強制終了させ、記録を続けていると、彼は今度は靴下を脱ぎ始めました。
好きなようにさせておくと、靴を持ってなにやら身動きを始めました。
立ち上がる危険を察知したさくらはすばやく反応。

「Mさん、どうしました?お出かけですか?」
Mさん「そ、そそそそそそそそ、そそそそそそ…(どもりがきつい)」

どうやら靴をしまっておいてくれと言っているようです。
しかしうちのデイケアは土足。
裸足で歩かせるのはちょっとねえ。

さくら「Mさん、うちお風呂ないんですよ。サービス悪くてごめんなさいねえ(うちの方が悪いという言い方で、彼を責めているのではないというニュアンスになるように配慮したつもり)。
ここも土足だし、裸足で歩いたら足の裏どろどろになっちゃいますよ?」
Mさん「で、ででででででも、そそそそそそ…(あくまで靴をしまうように主張しているらしい)」
さくら「足の裏どろどろにして帰ったら奥さんに怒られちゃいますよ。Mさんのお子さんも昔どろんこで帰ってきませんでした?」
Mさん「…そ、そうでした、そうでした(ちょっと笑顔。しかもどもりも直って落ち着いてきた。そして座った)」
さくら「そうでしょー?そのあとおうちの中大変じゃなかったですか?」
Mさん「…そうですね、大変でした(すっかり落ち着いてきた)」

さくらとしては会心の対応。
妄想(とまでいかないかもしれないけど)を否定することなく、うまいこと話をそらした。
さくらはここで一気にMさんの子供の話に持って行くつもりでした。

ところが。
ここでスタッフから影で「大先生」と(皮肉で)呼ばれている介護ヘルパーのFさん登場。
ぬっと顔を出して、お上品な声でこういいました。

「Mさん、ここS苑(Mさんが勘違いしているであろう、お風呂に入れるところ)じゃないですからね。お風呂はないんですよ。」

これでさくらの話は全部ぶちこわし。
Mさんは「はい…はい…」と言って、無表情に戻ってしまいました。

 
あのさあ!!
何で話の邪魔するのさ!?
他のスタッフだったら出てきたって、「Mさんのお子さんって男の子でしたっけ?」とか話をふくらませてくれるのに(それだったらありがたい)なんで話をぶち壊しにするのさ!?
この間の痴呆の勉強会で「妄想を否定してはいけない」とか言ってたの聞いてなかったの?!

ふざけんじゃないよっ!!!!!

あんまり頭にきたので帰ってとりあえず旦那にぶちまけ、次の日に運転手さん、主任、相談員、介護スタッフ2名、さらに院長の医者にまで文句をいってやりました。

しかし、他のヘルパーさんたちはこういいました。
「頭にきたのはこれが最初ですか?」

みんな同じようなお腹立ちを抱えているようです。
困ったもんだ。

203.は?

2003年3月21日 お仕事
さくらの職場にいるのは
主任(看護師)、さくら、介護ヘルパーの皆様です。
うちのデイケアは3年ほど前にできたばかりらしく、業務改正また業務改正。
さくらには本職のお仕事のほかに、なにやらよくわからないアイデアを求められます。

ここのヘルパーさんたちはほとんどパート職員ですが、
「私たちパートだし」意識がものすごく強いように思います。

この間のミーティングで、「全員に満足してもらえるレクリエーションっていうのは無理だと思う」とさくらが言ったところ、

「さくらさんは私たちの上なんだよ?上の人がそんなこと言ったら、もう無理なんだって思っちゃうでしょ?」とヘルパーさんの一人に言われました。

…は?
さくらとあなたたちの違いは、介護職か看護職かってことと、給料体系が違うこと(月給or時給)だけじゃないの?
その時はびっくりして
「自分が上だとは思ってないし…」と反論するのが精一杯だったけど、
時間がたつと腹立ってきた。

「理学療法士の人に勉強会をして欲しい。体操ひとつするにしても、ベースになる知識がほしい」ってのはいいと思うけど、
小耳に挟んだところによると、昔音楽療法についての勉強会をしてもらったところ、みんな仕事の時間が終わると途中で帰ってしまったらしい。
しかもその先生はボランティア。
失礼な話だ。

新しくやってきた相談員さん(さくらより3つ年下)もさくらと似たような立場に置かれ、昨日は仕事の後で1時間ぐらい語り合ってしまった。

文章がわけわからなくなってしまった。
要するに、さくらは思いっきりペーペーなのに、中間管理職的立場を求められ始めたってことです。
そして介護スタッフからは「与えてもらえる情報はほしい。でも、責任はしょいたくない」という態度がありあり。

だいたいなぁ!
パートだって正職員だって、週に5回来てりゃ「常勤」だろうよ!?
人間を一定時間預かってるんだよ?
それなりに責任の伴う仕事だろうよ?!
何なのよぉうっ!!!!!

ちょっとすっきりした。
なんでこんなことで疲れるんだ?
久しぶりに2日続けて更新してみました。

今日のさくらは外来で修行です。
外来もできるように修行してるのです。

今日で外来修行は3日目。
次からはひとり立ちです。
大学病院と違い、クリニックの看護師は何でも自分でやらなくてはなりません。

大変です。

 
お昼だけデイケアを手伝い、送り迎えもやって、なかなか充実した1日でした。

デイケアでは、車での送り迎えがついてます。
車椅子も2台乗り込めるワンボックスで利用者さんの家までお迎えに行き、終わったら送って行くのです。
足が悪いとなかなか出かけられなかったりするので、気分転換にもなるようです。

ここでひとつ、さくらのお仕事の話。

ある80代の女性は娘と仲があまりよくなく(過去にいろいろあるらしい。詳しい説明は省きますが)一人で立ち上がることもほとんどできないのですが一人で住んでいます。
お風呂は週に1回、福祉サービスを受けています。
娘婿は怒りが収まらず、「一切面倒はみるな」と言っているらしく、娘さんは毎日こっそり様子を見に来ています。(でも仲は悪い。移動させる時に首ねっこつかんでひっぱっているのをさくらは見た)

女性の顔には生気があまり感じられず、通ってきたばかりのころはかなり攻撃的だったそうです。
顔にはいつも目やにがついていますが、「もういいですよ。このままで」というばかり。
耳の裏も汚れて、ひっかいたあとがかさぶたになってる始末。

でも、最近娘さんの態度にも変化が見られてきたようです。
本人もこの間さくらに「顔を洗ってこられなかったから顔を拭いて欲しい」と言ってきました。
スタッフの50代の女性が「あんなこと言ってる」と言いたそうなのを察知して
「自分から身だしなみに気を配るようになったなんてすばらしいです」と言ってやり
本人にもそう告げました。
最近は、レクリエーションの途中に笑顔も見られるようになりました。

この仕事やってて良かったなあって思う瞬間です。
日記をさぼってはや半月。
6日の分は今書いたばっかりです。

お仕事はなんとか続けてます。
利用者の顔と名前はだいぶ一致したんですが、介助の仕方とか、気をつけるところとかなかなか覚えられないので、全員分のさくらマイカルテを作りました。
名前と、何曜日に来るかと、食事法と、体の機能と、その他いろんなことをメモしてるのです。
がんばるぞう。

2週間がんばってみて。
なかなかやりがいのありそうな仕事です。
今後どうしていくのかとかいろいろ考えることはあるし、
さくらもがんばんなくちゃなと思います。

利用者さんはお年を召した方が大半ですが、なかなかみなさん楽しいです。
頭は全然ボケてないけど耳の遠くなった女性(91歳)は、
お雑煮の話から、地方によってお雑煮の味付けが違うことに話が及び

「Tさん、Tさんは子供の頃はどこでそだったんですか?」
「あたしですか?9歳までいましたよ」
「…どこで過ごされたんですかぁー?」
「そんなに食べれませんよ、ひゃひゃひゃ」
「…」

なかなかおもしろい仕事です。

そして、土曜日には外来もやりました。
看護師の人数の関係とかで外来もできるように、外来修行中なのです。

しかし。
さくらが最初に勤めてた大学病院みたいな大きなところは、完全に分業してる。
心電図は心電図室で技師さんが。
レントゲンはレントゲン室で。
機材はME室で。

小さなクリニックでは、レントゲンのセットするのも、注射を打つのも、点滴を入れるのも全部看護師です。
きたえられそうだ。

昨日2人点滴を入れました。
成功しました。ばんざい。
これから何でもできる看護師になれるようがんばります。
今日から、白衣の『堕』天使、さくら復活です。

お仕事は、介護保険施設のひとつ、デイケア。
通ってきてリハビリする施設です。
脳梗塞の後の人がたくさんいるようです。

全部で通所してるひとが70人ぐらいいるらしい…
それを覚えるところからまずはじめないと。

そんなこんなで、さくらは流れについていくだけで1日が終わってしまいました。

「今日1日やってみてどう?」とか感想聞かれたって、感想をもつところに至れなかった。
利用者の顔がいまいち覚えられないから、なんだか何をするにしてもおたおたするし、遅いし。

まあ、もうちょっとやってみないと続けられるかどうかもわからない。

どうなんだろ。
この間ハローワークで紹介してもらった仕事の面接が先日終わりました。

「外来のリハビリに興味がある」と言ってしまったのですが、介護保険についてまったく勉強してなかったので、その辺はちょっとたじたじと答えてしまいました。

しかし、最後に聞かれました。
「マッサージを取り入れてるんですが、患者さんの体に触れるのに抵抗はありませんか?」

…誰に向かって物を言ってんだ?
さくらは一応「看護師」なんだけど?
それが仕事なんだけど?

そして
「何か特技はありませんか?」
苦しまぎれに「ピアノが弾けます」と言ってしまい
「音楽療法もあるしねえ」と言われました。
習ってたのは10年前で、今では「猫ふんじゃった」すらあやしいことは内緒です。

そして今日、そこから電話が来ました。
採用決定です。
これでさくらは「パート看護師」から、「正職員看護師」に復活です。
もちろん旦那の扶養家族ではありません。
ばんざい!!!

再就職祝いに、さくらはビールで、旦那はコーラで乾杯しました。
1月からがんばるぞう。
今日もさくらはお仕事です。
辞めるとまだ言ってませんが...

今日一緒に行った職員の男性Nさん(推定45歳)は、お昼を出してくれるところしか行かないということで有名な人です。
どうやら課長の作った予定表を、勝手になんだかんだと理由をつけて書き換えているらしいです。
そこまでお昼に執着するとは、なかなかのもんです。
(おもしろがって観察してるだけのさくら)

今日も例にもれず、健診先の社員食堂でお昼をご馳走になりました。
女性のAさんが、みんなにお茶を入れるためにやかんを持ってきてくれました。

Nさんは、Aさんの方を見もせずに、湯のみだけを差し出してこう言いました。

「お茶!!」

...は?
Aさんは「はいはい」とお茶を入れてましたが、あいかわらずAさんの方も見ずに食事を続けてました。

なんだこのおっさん?
お前そんなにえらいのか?(さくらよりはえらいだろうけど)
おのれの嫁と人の嫁の区別もつかんのかぁっ!?

帰りにさくらの3つ年上の女性も「何あれ?」って言ってたから、さくらだけがそう思ったわけじゃなさそうです。
世の中には不思議な人もいるもんですね。
びっくり仰天したよ。
今働いてるところは冬は仕事がなく
パートだともちろんボーナスも出ない。
さくらはパート脱出計画を実行に移しはじめました。

とりあえずハローワークへ。
かなり混んでて不況をあらわしてる感じもしましたが、負けずに検索の端末の前へ。
そこで、土日休みの完全週休2日というすばらしいお仕事を発見しました。
内科と外来リハビリテーションの病院です。
平日の外来だけの様子です。

思い立ったが吉日!!
パート先には辞めるなんて一言も言ってませんでしたが、紹介状をもらってしまいました。
職場から電話が来て、とりあえず履歴書を送ってくださいとのこと。

まだ新しい求人で、誰も応募してないらしいから、まずまず見込みあり。
ハローワークのおじさんが電話してくれたのですが、臨床経験の有無も聞かれました。

やっぱり臨床出といてよかった...

そして履歴書も書きました。明日出します。

パート先ではある紙をもらいました。
来年度の勤務についての希望表だったのですが
(時給がいいので、フルで働いてると100万円の制限を中途半端に越えてしまうことがよくあるので、いくらまで働きたいか希望をとるのです)一番初めの質問が

「来年もパート職員として勤務できますか?」

辞めるぞっ!!
決めたぞ辞めてやる。

と言うわけで、「勤務できない」に丸をしました。
あとはこれを出して、辞める意思を伝えればOK。
さすがに仕事の予定も入ってるし「明日辞めさせてください」ってのは迷惑だと思うので、新しく履歴書を出したところでも
「1月ごろから勤務したい」という希望を出しておきました。

パート職員としてなるべく退社時の迷惑をかけないようにさくらなりに気を使ってるのです。

唯一気がかりなこととしては、
今の職場、いい人ばっかりでなかなか働きやすいところなので、なんとなく「辞める」って言い出しにくいところでしょうか。
贅沢な悩みなんでしょうけどね。

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