日勤の最後。
婦長さんとリーダーさんが明日の入院の人々のお部屋を考えてました。

緊急事態。
ひとり分ベッドがたりない…

みんなが患者さんの一覧がわかるボードの前で悩んでいた時、ふとともくんのママがナースステーションのドアを叩いているのが目にはいったさくら。

「はい、何でしょう?」
「あの、さっき退院のお話があって、私こわいから明日じゃなくてあさってにしてくださいって言ったんですね。でも、この子すっごく元気になっちゃってちっともじっとしてないから、やっぱり明日にしていただけないかなーって思って…」
「あ、そうですか。じゃ、主治医に連絡してみますので、ちょっとまっててくださいね。」

退院かどうか決定してから婦長さんに報告しようと思ったさくら。
とりあえず医局に電話して、主治医を呼んでもらいました。
「あの、ともくんのママが、やっぱり明日退院したいっておっしゃってるんですけど…」

ふと視線を感じて振り向くと、婦長さんはじめ日勤メンバー全員がさくらのほうをじーっと見てました。

「退院?退院?ほんと?もうー、さくらちゃんが女神様のようだわぁー!!」

やってきた主治医にもみんなから期待のまなざしがそそがれました。
「ねえ、退院?退院?退院?」
「え?あー、そのー、あのー、うーん…退院、たいいんですね。はい。多分。」

結局ともくんは明日退院できることになりました。
婦長さん大感激。

なぜかさくらが感謝されっぱなしでした。

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